フロイト(1856-1939)という心理学者の名前をご存知の方も多いかと思います。
現在の精神医学や臨床心理学の基礎を築いたオーストリアの精神科医です。
彼は心の動きが行動に影響するメカニズムを分析してそれを体系化しました。
あがり症は心理学と大いに関係があります。
「あがり症」の治し方でフロイトの精神分析のアプローチをヒントに生み出された治療法に慈恵医大の精神医学講座の教授であった森田正馬氏(1874-1938)が提唱した「森田療法」があります。
森田教授はフロイト学説の疑問や矛盾を検証し、それが「森田療法」の基礎理論へと発展していったのです。
「あがり症」はこころの中に何らかのトラップがあるきっかけでできてしまい、これが体に様々な影響を及ぼす症状です。
パニック障害などもあがり症と同じメカニズムで、「こころのトラップ」に対して自分自身がどういったスタンスをとるのかが治し方の重要なポイントになります。
多くの場合、「何故、どうしてなのか?」という自責にも似た苦悩のうちにその「こころのトラップ」を否定してしまいがちですが、「森田療法」はこの原因である「こころのトラップ」を排除することで治療するという考え方ではなく、こころのトラップがあることを認識して否定せずに「肯定」することを治し方の原点においています。
これは森田教授のそれまでの多岐にわたる精神病研究から「固定観念」などにとらわれず、「現状」をしっかりと見つめるという姿勢から自然と導かれたものでした。
森田療法の具体的な内容とは生活の場所を変えて細かいカウンセリングを受けながら個々に調整されたプログラムに沿った生活をするというもので、あがり症の治し方として特別に難しい訓練などはありません。
現代医学はあらゆる分野で森田教授の活躍していた大正時代よりも進歩しており、あがり症にも有効な数々の薬品も開発され薬効の高いものも多く存在しています。
また「森田療法はすでに時代遅れ」という声もないわけではありません。
しかし1920年ころにはほぼ整ったと言われている「森田療法」が、90年近く経った今日においてもなおあがり症の治し方として支持されているのは薬物療法とは全く異なる治療法である心理行動療法でかなりの成功を収めているという確固たる事実があるからではないでしょうか。
それは日本人によって考え出され独自の発展を遂げてきた森田療法が日本人にマッチしているからだとの意見もあります。
「森田療法」があがり症の治し方の選択肢として薬品に重きをおかない治し方であるということで希望を託す方もいらっしゃるかと思います。
しっかりとした専門家を探してカウンセリングをうければいつでも「森田療法」であがり症の治療は受けることができます。
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